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小学生の自己肯定感を高めるための関わり方

小学生になると自己肯定感が下がりやすい!?


最近よく聞く「自己肯定感」というワード。自己肯定感とは言葉通り、自分が自分自身をありのまま肯定する感情のことです。自己肯定感は心の土台とも言えるもので、子どもの成長においても大人になってからもとても重要なことです。自己肯定感の高い人は、ポジティブで積極的に何でも取り組もうとするのでどんどん自分の可能性を広げることができ、それで得た経験が蓄積されてさらに自信がつくという好循環になります。自己肯定感の低い人は、自信がないので「自分にはできなさそう」と尻込みしてしまい、新しいことにチャレンジすることに対して後ろ向きです。取り組むにしても消極的なので自分の能力を存分に発揮することができません。自分の可能性を広げることができず自己肯定感が下がるという負のスパイラルに陥りやすくなります。

そんな大事な自己肯定感ですが、小学生になると下がりやすいと言われています。それはなぜでしょうか。

今日は、子どもの自己肯定感を高めるためには親がどう関わったらよいのか紹介していきます。

 

小学校入学により環境が大きく変わることで受ける影響


小学校入学というのは保護者以上に、子どもたちにとってとても大きな環境の変化です。今までお父さんやお母さんに送り迎えしてもらったのに、重たいランドセルを背負い自分だけで登校するようになります。幼稚園や保育園では基本的に「遊び」が中心でした。そこから急に毎日席に座って授業を受けるのです。そして毎日課される宿題も今までになかったことです。ガラリと環境が変化します。特に昨年や今年に入学した子どもたちはコロナ禍で行動が制限される中、学校生活がスタートしました。遠足や運動会といった楽しいイベントは中止や縮小となり、給食は黙食、授業は休校の影響を受けて駆け足で進むので、「学校は勉強ばかりでつまらない」と思う子も多かったでしょう。相当な戸惑いとストレスがあったと思います。

 

「勉強」が本格的に始まり壁にぶつかることが増える


小学校に入ると幼稚園や保育園での遊び中心の生活からいきなり「勉強」が始まります。今までは取り組むだけ頑張るだけで褒められたのですが、小学校に入るとテストや宿題、通知簿で結果に対して評価されるようになります。一生懸命ひらがなを書いても先生から赤字でとても細かくチェックが入ります。計算問題も正解不正解がつけられます。テストなどの結果に対しての評価は当然自分の理解度をチェックし復習に活かすものですが、ノートやテスト用紙にチェックされた赤文字に「出来なかった」とショックを受ける子もいるかもしれません。また、先生1人がクラス全員を相手に教えるので、どうしても勉強についていけない子が出てしまうこともあるでしょう。「勉強」に戸惑い、壁を感じてしまう子どもたちは少なくありません。

そして小学1年生だけが壁にぶつかるわけではありません。小学3年や4年頃から学習内容がぐっと難しくなります。今までなんとなく勉強についていっていたような子が勉強についていけなくなってきて、自信を失い自己肯定感を低下させることもあります。またこの頃から中学受験のため塾に通う子も出始めます。どんどん進む塾での学習や周りの子のレベルと自分を比較して戸惑う子も出てくるでしょう。

 

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自分の能力を周りと比較し自己評価することが増える


子どもの成長段階において小学生の頃から自分自身を客観視できる視点が養われていきます。「9歳の壁」とか「小4の壁」という言葉を耳にしたことはありますか。文部科学省はこの時期の子どもの発達段階を次のように説明しています。

「9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになる。対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。

また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる一方、ギャングエイジとも言われるこの時期は、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られる。」

(引用元:文部科学省「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」)

「他の子より字を書くのが下手かも」「計算が苦手」「あの子より走るのが遅い」などクラスメイトと自分を比較してするようになってきます。その結果自信をなくしたり、劣等感を抱いたりと自己肯定感が下がりやすくなるのです。

 

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子どもの自己肯定感には、保護者のことばが大きく影響する


平成30年に内閣府が調査した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」によると「日本の若者は、諸外国の若者と比べて、自身を肯定的に捉えている者の割合が低い傾向にあるが、日本の若者の自己肯定感の低さには自分が役に立たないと感じる自己有用感の低さが関わっていること」とあります。自分自身に満足していると答える子どもがアメリカでは57.9%に対し日本は10.4%しかいません。そして、「自分が役に立つ人間かどうか」が他国に比べて「自分自身の満足」に繋がっているようです。乱暴な言い方ですが、役に立つ人間でないと自分は存在価値がないと思ってしまうということです。なぜ日本の子どもたちはこんなに自己肯定感が低いのでしょうか。自己肯定感を高めるにはどうしたらよいのでしょうか。

自己肯定感を高める鍵は親にあります。子どもは自分が親からどう思われているかで自分の価値を判断します。世界がまだ狭い子どもたちにとって親からの評価が全てなのです。ですから親からどのように言葉をかけられているかで子どもの自己肯定感は高くもなるし低くもなります。保護者からの言葉が子どもの自己肯定感に大きな影響を与えます。

もともと日本は自らの価値を低く謙遜して伝える文化があります。ママ友同志の会話で誰かに子どものことを褒められても「うちの子なんか全然ダメで」と答える方は多いのではないでしょうか。自慢はよくない、身内を褒めるのはよくないと思ってしまう傾向があります。でもこういった親の言動は子どもの自己肯定感を下げてしまう原因になります。

 

他者との比較ばかりでは自己肯定感は育たない

自己肯定感を高めるために一番やってはいけない、そしてやりがちなことが他者との比較です。特に関係が近いお友達や兄弟姉妹との比較は要注意です。「お兄ちゃんがあなたの歳の頃は出来ていたのに」「〇〇ちゃんはあんなに頑張って○〇できているのに、あなたはなぜできないの?」など、子どもの頃に言われた覚えがある保護者世代の方もいらっしゃると思います。言われた子どもたちはひどく傷つきます。そしてこのような言葉に子どもたちは反論することができません。お兄ちゃんができたのはお兄ちゃんの問題であって、自分とは何の関係もありません。ましてや子どもたちの見ている世界のほとんどは「家庭」と「学校」でできています。両方の世界で比べられ、比較されてはほっとすることもできません。そうやって傷つけられ、反論も封じられた子どもたちの自己肯定感はますます低くなっていきます。家庭は子どもにとって安らげる安全基地のような場所にしておきたいものです。

 

自己肯定感を高める魔法のことば「あなたのことが大切」


子どもたちの自己肯定感を高めるのに一番大事なのは、「子どもたちの存在そのものを肯定すること」です。そんなの当たり前と思う方もいらっしゃるでしょう。ではそれを言葉にして伝えている方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。わざわざ言葉にしなくても伝わっているはず、黙ってそばにいることで伝わるはずと思っていても、子どもたちに伝わっているとは限りません。黙ってそばにいることは大人同士であれば伝わるコミュニケーションかもしれませんが、子どもたちにとっては大人がそばにいるのは当たり前。「あなたのことが大切」「あなたが大好き」「あなたがいてくれて嬉しい」ということを言葉でしっかり伝えましょう。特に子どもたちは「叱られた」=「お父さんやお母さんに嫌われた」と捉えてしまいます。「叱っているのは行為に対してであって、あなたを嫌いになったのではない」ということを必ず伝えてください。あともう一つ大切なのが親自身の自己肯定感です。子育て中の保護者自身が自己肯定感の低さを抱えており、子どもには自分のようにならないようにと過度な期待やプレッシャーをかけてしまうことがあります。親自身の自己肯定感も子どもと一緒に高めていけるように意識できるとよいかもしれません。

 

自己肯定感を高める褒めポイント

子どもの自己肯定感の育成には親の適切な言葉がけが大切です。では具体的にどう言葉がけをしていけばよいのでしょうか。

家庭でのお手伝いなど家族のための行動への感謝と共に褒める


子どもがお手伝いなど家族のための行動をしたときは感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。いつもしてくれるお手伝いももちろんですが、雨が降っていることに気づいて洗濯物を取り入れてくれたなど子どもが家族のためにと自発的にしてくれた行動は本当に嬉しいものですよね。その嬉しい気持ちをしっかり言葉にして伝えてあげましょう。「家族の役に立てた」と実感できること、家庭の中で自分の存在意義を感じることができることで自己肯定感が養われます。

 

好きなことや得意なことの成功体験に対して褒める

好きなことや得意なことというのはそれだけでも子どもの自己肯定感を高めてくれそうですが、褒めることは大事です。子どもは親の喜ぶ顔が見たくて頑張ります。褒められたことをエネルギーにして頑張ろうとするので、それが子どもの「好きなこと」「得意なこと」に繋がりやすいのです。得意だからできて当たり前ではなく、出来たという成功体験を言葉にして褒めましょう。少し注意が必要なのが、親がわかりやすい成果に注目しすぎてしまうことです。親が子どもに対して成果を求め「勝った」「〇〇点取れた」という結果ばかりを褒めてしまうと「結果を出さないと親に認められてもらえないのではないか」と子どもは不安になり、かえって自己肯定感を下げてしまうことがあります。

 

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嫌いなことや苦手なことに挑戦したことに対して褒める

苦手な計算問題を頑張る。水がまだ怖いけれど、スイミングにチャレンジする。やりたくないことからは大人でも逃げたくなりますよね。嫌いなことや苦手なことに挑戦するだけでもたくさんの勇気やエネルギーが必要です。出来たことを褒めることもよいですが、「挑戦したこと」「頑張ったこと」自体、そのプロセスを認めて褒めてあげましょう。たとえ失敗したとしてもチャレンジしただけで凄いのです。挑戦した勇気を称賛することで、次も頑張ってみようと思えるようになるのです。

 

出来るようになったことを親子で再確認して具体的に褒める

誰かと比べるのではなく、過去の我が子と今日の我が子を比べて何がどんな風によかったのか成長できたのかを親子で確認したうえではっきり言葉にして伝えましょう。

最終的に高い目標を掲げることもよいですが、なかなか到達できないゴールだと「自分には無理…」「とても達成できそうにない」「自分には能力がないのでは」と思ってしまい自己肯定感が下がってしまいます。すぐに達成できる小さな目標を細かく立てて少しずつ難易度を上げていくことが大事です。小さな目標に向けて挑戦する→達成する→褒められる→嬉しい→次の目標に向けてまた挑戦するという良いサイクルを作ることができるとよいですね。これを繰り返すうちに「努力を続ける」「学び続ける」ことを身に付けることができます。

 

子どもが悩んでいる時こそ自己肯定感を高める声かけが大切


子どもが悩んでいるとき、自信を失ってしまっているときほど自己肯定感を高める声かけはとても重要です。具体的にはどのように接していけばよいのでしょうか

出来ないことがあったら何故出来ないのかを親子で考える

子どもが何かに躓いて出来ないことがあれば、親子で一緒になぜできないのかどうすればできるようになるのか考えましょう。この時親が簡単に答えを提示するような形ではよくありません。これでは子どもは考えることを止めてしまいます。子どもと一緒に考えることで、子ども自身が出来ないことと向き合い考える力を育むのはもちろん、親が自分のことを理解してくれる、一生懸命理解しようとしてくれているという喜びと信頼感が自己肯定感UPに繋がります。

 

思春期の反抗期は自己肯定感を高めるチャンス


思春期はエリクソンが提唱した8つの発達段階において「自分が何者であるか思い悩む時期(アイデンティティの危機)」なのだそうです。この時期は自身を客観視できるようになります。でもこれは自分と他人を比較しやすい時期とも言えます。

例えば今まで自分が得意だと思っていたことでも、世の中で活躍しているトップクラスの人と比べたら足元にも及ばない…など夢と現実の差を実感して自信を砕かれてしまう。自己肯定感の危機を生み出し、その結果「反抗期」と呼ばれる行動を取ってしまうのです。「私はいったい誰なの?」「私は大切な存在なの?」「私はこのままでもいいの?」そんな子どもたちの心の叫びが「反抗的態度」として出ていると言えます。親がずっと変わらず自分のことを愛しているのか試しているのです。では親はどうしたらよいのか、おのずとわかってきますね。そう、「あなたは大切な存在である」と示すことが大事なのです。この時幼いときのように子ども扱いするのではなく、子どもから大人へと成長しつつある我が子を、一人の人間として対等に接することが大事です。一人の人間として大切に思っていることを伝えてあげてください。

 

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失敗体験と成功体験を通して「きっとできる」という自信をつける


自己肯定感の低い人に足りないものは成功体験だと言われています。子どもの頃から親や先生から叱られてばかりで自尊感情が育たず「自分はダメだ」と思い込んでしまう。成功体験を積み重ねることで自己肯定感が高まります。では失敗体験はダメなのか。そんなことはありません。例えばずっとテストで1番取り続けていたら、もし1番取れなかったときのダメージは大きいですよね。子どもの時からたくさんの小さな失敗や成功を経験し、親や周りの人に受け止めてもらうこと、それが「きっとできる」という自信につながります。自分に自信があれば、失敗してしまっても次はできる、次できるようになるためにはどうすればよいかと考えることができるのです。

 

トライ・アンド・エラーをたくさん経験できるロボットプログラミング教室「ロボ団」


子どもの自己肯定感を高める方法のひとつとして子ども自身の好奇心を刺激することも大事です。子どもが「面白そう」「やってみたいな」と好奇心を示したらぜひその機会を与えてあげてください。面白そう→チャレンジしてみる→できた→嬉しい!の自信に繋がるよいサイクルができるはずです。自己肯定感が高まると遊びにしても勉強にしても様々なことに前向きになり何事にも積極的に取り組むようになります。お子さんの好奇心を刺激する機会として習い事始めてみるのはいかがでしょうか。「学校」と「家庭」とは別に違う世界を持つことも子どもの豊かな成長に繋がります。ここで気を付けておきたいのは、子どもが「やってみたい」と思うかどうか、興味を持つかどうかということ。親が子どものためになるからと色々と習い事を押し付けては、自己肯定感は高まりません。お子さんが楽しく取り組めそうかしっかり見てあげてください。

お子さんの好奇心を刺激する習い事としてロボットプログラミングはいかがでしょうか。ロボ団のロボットプログラミング教室では、「教育版レゴ® マインドストーム® EV3」を使用しています。子どもが大好きで馴染みのあるレゴを使うので遊び感覚で始めることができます。レッスン時間は3時間と長いのですが、子どもたちは遊び感覚で夢中になっているのであっという間に感じるそう。好奇心が刺激されているんですね。

ロボットプログラミングは自分が作ったプログラムによって目の前のロボットが動くので、体感的に達成感を味わうことができます。

自分の作ったプログラムが間違っていればもちろんロボットは思うように動きません。しかし、「ロボットを動かしたい」という気持ち(欲求)があるので、「ロボットを動かすにはどうすればよいのかな?」と自分で考えます。動かない原因はプログラムのどこかが間違っているということがはっきりわかっているので、自信を失ったり漠然とした不安な気分にはなりません。小さな失敗体験を活かして自分で考え次の成功体験に繋げるのです。ロボットプログラミングは小さなトライアンドエラーをたくさん経験することができます。

一度失敗して2度目も失敗するかもしれません。失敗を重ねるとやる気を失わないか、「自分には無理だ」と投げ出してしまわないか心配になりますよね。ロボ団では2人1組になってプログラミングに取り組むチーム制を導入しています。もしロボットが思う通りに動かなくても、ふたりで相談するのです。一人で「なぜ動かないか」と考えるより二人で相談する方が思考を深めることができます。一人だと気づかなかったエラーも、パートナーがいることで発見することができます。一人だと「自分には無理だ」と思っても、パートナーがいると諦めにくくなります。チームで取り組むことでコミュニケーション能力が高めることができるのはもちろん、失敗したことを誰かと共有し一緒に取り組む習慣がつくと、他で何か困りごとや悩み事ができても誰かに相談しやすくなるかもしれませんね。

子どもが夢中になるロボットプログラミングですが、お子さんが「やりたい」と思うか興味を持つかどうかは試してみなければわかりません。もし興味を持たれたらぜひ体験教室に参加してみてください。

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