読解力とは?
「読解力」とは一般的に「文章を読んでその内容を理解し、解釈する力」と考えられています。文章を読み、その意味を順序だてて理解する力です。しかし最近の考え方では「ただ文章を読み解く力」だけでなく、「相手の置かれている状況や感情、伝えたいことを把握し理解する力」も含むものであると捉えられています。「空気を読む」という言葉は一時期よく使われましたが、それも読解力の一つだと考えられます。このように「読解力」は勉強の場だけでなく、日常生活の様々なシーンで必要とされる能力となっているのです。
そして今日本の子どもたちの読解力が低下していると言われています。これはどういったことなのでしょうか。
OECD諸国が実施するPISA調査で定められていている読解力の定義
先進国の情報交換を目的として、ヨーロッパ諸国を中心に日米を含め38か国の先進国が加盟する国際機関OECD(経済協力開発機構)では定期的にPISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる学術調査を行っています。PISAとは義務教育終了段階の15歳を対象に行われる、読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーの3分野における生徒の学習到達度調査です。この3つの力は21世紀に必要となる主要な資質・能力として重要視されています。日本は数学的リテラシーと科学的リテラシーは調査開始以降ずっと世界トップレベルを維持しています。ところが読解力は平均以上で高得点のグループに位置しているものの、前回の8位から15位にダウンという結果になりました。
PISAでは読解力を「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと」と定義づけています。そして調査では「義務教育修了段階にある生徒が,文章のような「連続型テキスト」及び図表のような「非連続型テキスト」を幅広く読み,これらを広く学校内外の様々な状況に関連付けて,組み立て,展開し,意味を理解することをどの程度行えるかをみる。」ことを狙いとし、下記の3つの能力を測定します。つまり読解力テストといっても、ただ文章を読み解くだけではありません。データや図表、統計などから物事の傾向や動向を読み取ることができるかも読解力としてテストするということです。
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① 理解する力
「字句の意味を理解する」力、「統合し推論を創出する」力、つまり「書かれている情報がどのような意味を持つのかを理解したり、推論したりすること」ができるのかをみます。
② 情報を探し出す力
「テキストの情報にアクセスし、取り出す」力、「関連するテキストを探索し、選び出す」力、つまり「テキストに書かれている情報を正確に取り出すこと」ができるかをみます。
③ 評価し、熟考する力
「テキストに書かれていることを知識や考え方,経験と結び付けること」ができるかをみます。2018年から「内容と形式について熟考する」に加えて「質や信憑性を評価する」、「矛盾を見つけて対処する」の要素が追加されました。2018年の問題には、ある商品について販売元の企業のWebサイトが謳う商品の安全性と、安全性について別の見解を持つオンライン雑誌記事という異なる立場から発信された複数の課題文からそれぞれの意図を考え、情報の質や信憑性を評価し自分ならどう評価するか根拠を示して説明する問いが出題されています。
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日本の15歳の「読解力低下」が問題視
10年前の4位から15位への大幅ダウン、特に②と③の正答率が低い
読解力はこの約10年で4位から15位へと大幅ダウンしています。読解力を測定する3つの能力のうち、「理解する」能力については調査開始の2000年以降安定的に平均得点が高い傾向にあるのですが、「情報を探し出す」能力については2009年の調査結果と比較すると平均得点は低下しています。全体の平均得点としてはまだ上位につけているものの、高得点を獲得した生徒の割合はOECD平均と同程度まで少ない結果となっています。「評価し、熟考する」能力についても2009年に比べ平均得点が低下。特に2018年から追加された「質と信憑性を評価する」力と「矛盾を見つけて対処する」力を問う問題については正答率が低い結果となりました。
自由記述式問題では「自分の考えを他者に伝わるよう根拠を示して説明する力」に課題があると指摘
調査問題の出題形式には、与えられた選択肢から答えを選択する問題や短い語句や数値で回答する問題に加え、考え方や理由を説明するなどの自由記述式問題があります。自由記述形式の問題では、自分の考えを他者に伝わるように根拠を示して説明することに課題があることがわかりました。
参照:OECD生徒の学習到達度調査(PISA):国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research (nier.go.jp)
PISA調査における読解力の定義,特徴等:文部科学省 (mext.go.jp)
日本の子どもたちの読解力低下の要因
どうしてここまで日本の子どもたちの読解力は低下してしまったのでしょうか。
SNSによる短文やり取りの増加による長文読み書きの機会減少
子どもたちの読解力の低下を招いたのは「読書などで長文に触れる機会が減った」ことと「SNSなどによる短文のやりとりの増加で、長文を読み書きする機会が減少したことが一因」と文部科学省は言及しています。NTTのモバイル社会研究所が2021年11月に実施した親と子に関する調査では「LINE」、「TikTok」、「Instagram」「Twitter」などSNSを利用している子どもは中学生では9割にのぼるといいます。特に利用率の高いLINEはクラスや部活、習い事の連絡網の役割も果たすなど子どもたちだけでなく、保護者にとってももはや欠かせないSNSです。家族や友達との短文のやりとりは、意味さえ通じれば正しい日本語でなくても砕けた話し言葉で会話が成立します。そしてスピーディーにやりとりが進むので、ぱっと書いてぱっと送信し、送信するまでに自分の書いた文章を推敲することなく送ってしまうことがほとんどです。感情表現も絵文字やスタンプなどのイラストで表現できてしまうため、文章で伝える必要がありません。推敲を重ねて文章の質を高める努力をしてきていないのです。文章をブラッシュアップする習慣がないために言い回しや表現は単純なものになり、それらを読み取る力も育ちにくいのです。
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スマートフォン普及による活字離れ、読書量の減少
子どもたちを取り巻く情報環境は驚くほど変化しました。小学校高学年あたりからスマートフォンを持つ子が出始め、中学生や高校生になるとほぼ誰もがスマートフォンを持っています。令和2年、内閣府が発表した調査によると、青少年(10歳~17歳)の95%が「インターネットを使用している」と回答しています。そして、その際使用する機器は「スマートフォン」が67%、「タブレット」が36%、「携帯ゲーム機」が32%でした。学校種別で見ると高校生の98.9%、中学生の97.4%が「インターネットを使用している」と回答しました。インターネットを使用していない中高生はほぼいないと言えるでしょう。また、中学生の84.3%、高校生の99.1%が自分専用のスマートフォンを持っており、使用している時間も年齢が上がるにつれて増加する傾向にあります。また、自分のスマートフォンはまだ持っていなくても、タブレットや親のスマートフォンを日常的に使っている未就学児や小学生も増えています。その結果、スマートフォンやタブレットなどでインターネットを使用する時間が増える一方、読書量が減少しています。また新聞を購読している家庭も少なくなってきており、子どもたちが新聞を読む機会も減り活字離れが進んでいると思われます。
もはや子どもたちにとって当たり前となっているインターネットですが、使用目的がSNSやゲームを利用する頻度が高い生徒の割合が他国と比べて高く、一方で学校の授業でデジタル機器の利用時間はOECD加盟国中最下位でした。つまり日常的にスマートフォンなどのデジタル機器を使用しているにもかかわらず、その目的は遊びやコミュニケーションが中心で、インターネットを使用して学習することに不慣れなのです。GIGAスクール構想により2021年度から生徒一人ひとりにPCもしくはタブレットが配布されるようになりましたが、まだ導入してから2年しか経っていません。他国から後れを取っていることには変わりありません。
参照:令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)令和2年3月 (cao.go.jp)
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読解力低下の弊害
読解力が低下するとどのような弊害が起きるのでしょう。読解力というと小説など思い浮かべますが、国語に限らずどの教科を学ぶにも文章は避けて通れません。2020年からセンター入試が大学入学共通テストに変わりました。暗記や知識を問う問題が多かったセンター入試に比べ、共通テストは「主体的・対話的で深い学び」ができているかにポイントを置いた出題に変更されています。そのため数学などの教科にも長文問題が出題され、理科や社会ではグラフや統計などから何が読み取れるかを問われるなど、どの科目でも読解力が必要とされるようになりました。読解力が乏しいと問題文の内容を理解することや、そのグラフが何を表しているかさえできません。「読解力がないから国語は苦手だけど理系科目はできる」などが通用しなくなってきたのです。
社会で読解力が求められる理由
読解力が下がっているのは子どもだけではありません。実は大人も正しく文章が読めない人が増えていると言います。読解力のない人は、文章を読んでいるのではなく、単語だけを拾い読みして自分勝手に単語を繋げて内容を構成してしまうので、本人は文章を理解したつもりでも本来の内容とは全く異なる内容を自分の中で作り上げてしまう傾向にあります。Twitterなどの短文であっても正確に読むことができず、内容を勝手に誤解解釈したいわゆる「クソリプ」を返信する人もいます。
読解力を高めるメリット
普段生活をする中で「読解力を高めたい」と思う機会は少ないかもしれません。しかし、読解力は生活していく上で欠かせないとても重要な能力で、私たちは日々読解力を駆使して生活しています。
情報収集能力の向上
インターネットの普及により今はありとあらゆる情報に溢れる世の中になりました。以前より様々な情報に手軽にアクセスしやすくなった一方、情報が多すぎて混乱することも多くなったのではないでしょうか。情報収集とは単純に多くの情報を集めることではありません。どれだけたくさんの情報を集めても、それが間違っていては何の意味もありませんし、嘘の情報に惑わされて間違った判断をしてしまうことさえあるでしょう。その情報が正確で有益なものであるかを判断する必要があります。たくさんの情報の中からどれだけスピーディーに質の高い情報にアクセスできるか。質の低い情報を見抜き取捨選択ができるかどうか。その情報を正しく読み取り、目的のために情報を活用できるかどうか。これらは社会人として非常に重要なスキルです。
相手の要求を素早く的確に理解できる、相手にわかりやすく伝えることができる
コミュニケーション能力とは読解力と全く別の能力のように思いますが、実はコミュニケーションというのは読解力がなければできません。文章の内容を正確に読み取り要点・意図を理解する読解力は、会話でも同じです。相手の要求を素早く的確に判断できるようになります。相手が何を言わんとしているかを正確に読み取ることができなければ、誤った認識で相手に返答してしまうので、その時点でコミュニケーションが成り立たなくなってしまいます。
そして読解力は自分の考えや要求を伝える力にもなります。家族や仲間内なら簡略したやりとりでも伝わるでしょう。しかし、ビジネスの場合こちらの主張を正確に伝えなければなりません。読解力があれば、どのようにすれば相手の理解を得られるのかがわかるので説得力を持って話すことができるでしょう。
物事の正しさや信憑性を見極めることができる
今は個人がSNSなどで気軽に情報発信ができるようになりました。インスタントに情報発信ができる一方、情報の真偽や正確性などが精査されないままの情報があふれてしまっています。そのような状況で情報を鵜呑みにしてしまうのは大変危険です。また意図的に騙したり世間を扇動する意図で流されるフェイクニュースやデマなどは、震災や戦争、またはコロナ禍など世の中が混乱している時によく見かけますね。そのような間違った情報のせいで被害を受けても、誰も責任を取ってはくれませんし、また善意のつもりでさらに拡散させてフェイクニュースに加担してしまうこともあります。目にした情報をすぐに鵜呑みにしてしまわずに、情報の発信元を調べたり、一次情報を確かめたり、その他複数の情報を読み比べたりして物事の正しさや信憑性を見極めなければなりません。
円滑なコミュニケーションにおいて読解力は不可欠
読解力は円滑なコミュニケーションに欠かせません。社会に出て仕事を円滑に進めるためにも読解力はマストですが、子どもでも人間関係のトラブルはちょっとした誤解や曲解から招くこともあります。相手の気持ちを理解し良好な人間関係を築くためにも読解力は欠かせません。
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読解力を高める7つのトレーニング方法
読解力を鍛えるにはどのようにすればよいのでしょうか。オススメのトレーニング方法を紹介します。
読書をする:文章に触れる機会を増やす、まずは簡単な文章からスタート
日常的に本を読む習慣はありますか?読解力を鍛えるには何より文字を読む習慣をつけるのが一番です。本を読む習慣が全くないお子さんなら、図鑑などの「見る本」や簡単な文章の本でよいのでお子さんの好きなジャンルに関する本をお子さんと一緒に選んでみましょう。初めは読書に対する抵抗をなくすこと、本を手に取る習慣をつけることが大切です。どうしても読みたがらないようでしたら、漫画でも構いません。文字数が多いものだと読書とほぼ同様の効果があるでしょう。例えば大好きなアニメでノベライズされているものを選んでみてもいいかもしれませんね。
辞書を使う:わからない言葉を調べ、語彙を増やす
わからない言葉が出てきたら辞書を使って調べる習慣をつけましょう。手元のスマホで検索するのも一つの方法です。前後の文脈でなんとなく意味が推測できるものもありますが、自分の推測が間違っている場合もありますし正確に意味がわからないまま放置しておくとボキャブラリーを増やすことはできません。ボキャブラリーが貧困だと、文章の読解ができないだけでなく自分の考えを言葉で的確に相手に伝えることができません。たとえば「ヤバい」というよく使われる言葉がありますが、「ヤバイ」はもともと「危ない」「具合が悪い」といった意味だったものが、「素敵!」「かっこいい」「美味しい」「カッコ悪い」「まずい」「可愛くない」などそれがポジティブの意味でもネガティブの意味でも使われるようになり、様々な感情や状態を「ヤバい」の一言で片づけられるようになりました。言葉は進化するものですからそれが悪いというわけではなく、「ヤバイ」で表現できる様々な感情や状態を他の言葉でも言い換えることができる語彙力があるかどうかが大切です。ボキャブラリーを増やすことで、自分の思いを正確に伝えることができます。日頃から辞書を調べる習慣をつけ、語彙力を鍛えましょう。
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音読をする:読み飛ばすのではなく、視覚と聴覚を使いじっくりと読む
小学校で定番の宿題といえば音読ですね。なにかと時間に追われている親御さんにとって音読の宿題は「面倒」「ちゃんと聞く余裕がない」と思われる方も多いのではないでしょうか。実は音読はとても大事な宿題なのです。文章を声に出して読むことで、一字一句飛ばさずに読むことができます。黙読だと無意識に知らない言葉を飛ばしていたり、目で追うだけの流し読みになりがちです。読書の習慣がある子供でも、意外と読み方を間違って覚えている場合があります。漢字の読み方や単語の意味を理解していないと音読できませんから、内容を正しく理解することができます。
さらに「話す速さ」や「言葉の切れ目」はコミュニケーションの大切な要素です。読書に慣れている子は「自分は理解できている」ので早口に読んでしまいがちですが、聞いている人にもしっかり伝わるように音読をするようにしましょう。
要約をする:読んだ内容がどういうものだったか自分のことばで表現する
次は要約にチャレンジしてみましょう。読解とは端的に言えば「その文章には何が書かれているのか」「筆者は何を伝えたいのか」を読み取ればよいわけです。要約とは、「その文章に何が書かれているか」を短くまとめて表すものですから、要約の練習は読解力を鍛えることができるのです。お子さんが小さいうちはいきなり文章にまとめるのは難しいでしょう。その場合はお子さんが本を読んだ後、「どんなお話だったのか教えてくれる?」と聞いてみましょう。うまく説明できないようでしたら、「主人公は誰かな?」「そして主人公はどうなったの?」などお子さんに色んな質問を投げかけ導いてあげてください。
指示語に線を引き、何を指しているか考えることで作者が意図する繋がりを理解する
国語で「『それ』とは何を指すのか答えなさい」という指示語問題はよく出題されますね。指示語が示す内容を読み違えると文の内容がわからなくなります。指示語が何を指しているのか考えることで作者が意図する繋がりを理解することができます。普段から指示語に線を引き、何を指しているか考える訓練をしておきましょう。また、指示語と同じように、文章の論理関係を明確化させる接続詞も意識して読むようにしましょう。
起承転結を理解する
小説や物語のポピュラーなフォーマットと言えば「起承転結」。物語を読んで「起承転結」の大きな4つの場面がどこなのか物語の構成を意識しながら読んでみましょう。起承転結は文章をきれいに四分割しているわけではありません。お話によって「承」の部分が長かったり、「転」と「結」がほとんど同時にくる場合もあるなどさまざまです。たくさんの物語に触れることで、お話の流れのパターンに慣れておくとよいでしょう。
四部構成「問題提起」「意見提示」「根拠提示」「結論」を理解する
新聞の社説や説明文の場合は、小論文の基本である「四部構成」を意識してどのような構成で書かれているのか考えてみましょう。論文ははじめに「問題を提起する」、そして「意見の骨子を述べる」、「実例や背景、理由など意見の根拠となるものを提示する」「結論を述べる」の四部で構成されています。大学入試では自由記述や小論文など論理的文章を書くことが求められます。小学生のうちから論理的文章を書くトレーニングをしておきたいものです。例えば新聞の社説を100文字程度での要約に挑戦してみましょう。「読む力」を鍛えるだけでなく「書く力」も身につきますし、社会情勢も一緒に学ぶことができますね。「天声人語」など新聞1面に掲載されているコラムもオススメです。新聞の社説やコラムは入試にもよく取り上げられています。
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読み返す
文章を読み、わからない単語を調べて要約までできたら、かなり精読できたのではないでしょうか。要約後にもう一度文章を読み返してみましょう。自分の理解度が確認でき、その文章が何を意図しているのかが読み取れるはずです。
ディスカッションをする
同じストーリーを読んでも感想や意見は人それぞれ違うものです。家族や兄弟姉妹で感想や意見を話し合ってみましょう。読解力は「読む」だけでなく「書く」「話す」「相手に伝える」ことで鍛えることができます。例えば要約に取り組んだ社説について、または文章だけでなく一緒に見たテレビ番組でも構いません。どう感じたのか、または疑問に思ったことなど話し合ってみましょう。
「ビブリオバトル」というゲームをご存じでしょうか。「ビブリオバトル」とは参加者同士でオススメの本を持ち寄り、一人ずつその本の面白さをプレゼンし、参加者とディスカッションをします。最後に参加者全員が一番読みたくなった本を投票し勝者を決める書評ゲームです。本の内容を自分の言葉にして他の人に伝えることで、読解力や論理的思考力、コミュニケーション力、表現力を鍛えることができます。ビブリオバトルを家族でやってみてもいいですし、近くの読書会や読書サークルで開催しているビブリオバトルに参加してみてはいかがでしょうか。
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論理的思考力・プログラミング的思考力を鍛える
「読む」こととは「文章を読んでその内容を理解し、解釈する」。では「書く」こととは「自分の伝えたいことを相手が正確に理解解釈できるように読解力を鍛えるには「文章を書く」ことも大変有効です。アウトプットするには、頭の中にある漠然とした考えを整理し、分析し、論理的につなげてひとつの文を作り上げる必要があります。この作業は論理的思考がなければできません。
この作業にとてもよく似ているものがあります。プログラミングです。プログラミングを学ぶことで育まれる能力に「プログラミング的思考力」があります。
プログラミング的思考力とは文部科学省では「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」と定義づけています。自分の意図する一連の活動を実現するために、必要な動きを分解して考え、どのように組み合わせるとより効率的に意図した活動が実現できるのか、を論理的に考えていく力がプログラミング的思考です。この考え方は、社会に出て、なにかプロジェクトを行う際、その目的に必要なタスクを分解し、どのような順序でスケジュールを組み立てていけばより効率的でスムーズにプロジェクトが完結されるのか、を考えるなど、様々な場面で活用することができる力です。筋道を立てて考える力を鍛えればおのずと読解力も鍛えられることになります。
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まとめ:すべての学びの基礎となる読解力
学校での勉強や社会に出てからの仕事にはもちろん、あらゆるコミュニケーションにおいて必要な読解力
読解力は国語だけに出てくるものではありません。算数の文章問題や理科・社会でよく出るグラフなど、その他の教科を学ぶためにも読解力は欠かせません。しかしもっと困るのは社会に出てからかもしれません。ICTの発達により、リモートワークなども増えメールやチャットなどでやりとりする機会が以前より増えてきました。読解力がなければ、あらゆるコミュニケーションにおいて円滑に進められなくなってしまいます。また今後AIが発達し色んな職業がAIに取って代わられてしまう未来が予想されています。読解力を必要としない単純な作業だと真っ先に仕事を取られてしまいます。相手のニーズを正確に読み取り先手を打てる力がこの先求められることになるでしょう。そのためには読解力は最低限身に付けておかなければならない能力なのです。
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幼児や小学生のうちからトレーニングして身に付けておくことが大切
読解力は一朝一夕で身につくスキルではありません。トレーニングの積み重ねが大事です。きちんとした読解力を身につけておれば、それは生涯ずっと生きていくために役に立つ大切な財産となるでしょう。
プログラミング的思考が身に着くロボットプログラミング教室「ロボ団」は